2012年4月11日水曜日

情報の「キュレーション」をうまく活用する

先日、レコメンデーションエンジンの限界とライフスタイル提案型ECの可能性という記事の中で、(一部で流行っている)「キュレーション」という言葉について触れました。

「キュレーション」とは、もともとは博物館や美術館等の施設において、収蔵品を鑑定、分類し、収集することを指します。しかし、昨今ネット上で使われる際の「キュレーション」という言葉は、正確には「デジタル・キュレーション」のことで、ネット上の情報を収集し、交通整理をして他の人に再配布する行為のことを指しています。

この行為の重要な点は、有名人ではなくとも、ある道について専門の知識を持った「普通の人」が、自分の知識を活かしてその恩恵を他の人に提供することができるという点です。

ここでいう知識とは、「ある分野に関する体系化された網羅的な情報群」ではなく、「情報に重軽や優先順位をつけたり、(一見何のつながりがないように見えても)情報間につながりを持たせ、その分野の本質をつかむための情報群」です。

本当にその道を極めるのでなければ、体系化された網羅的な情報は不要です。そもそも、人類が重ねてきた歴史を考えれば、どんなに分野を限定しても網羅することは不可能でしょう。しかし、武道を極めたい人が禅の精神を理解したいと願ったり、ビジネスを成功させたいと思う人が人生の指針として思想家の考え方を学びたいと考えるのは自然なことです。そのときに必要なのは、体系化された網羅的な情報ではなく、その分野の本質をつかむための情報です。

そういった意味で、ネット上に氾濫する情報を効率的に吸収するために、誰かがキュレートした情報を選別することは理にかなっています。

さらに言えば、「キュレーション」は情報の選別だけでなく、ビジネスの可能性を秘めています。

たとえば、下記に示す、糸井重里氏の「本のコンシェルジュ」い関する連続ツイートはその一例と言えるでしょう。「キュレーション」をどうビジネスに活かすかについては、もう少し詳しく考えたいので、またの機会に書きたいと思います。

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