時は変わって、数十年後。
現在首都圏に在住し、ライブに行き放題。CDも買い放題。中高生のころよりもずっと音楽を聴いている時間が長くなりました。さらに、自分がビジネスの仕組みを考える仕事をしていることもあり、(自分の懐には一銭も入らないけれど)音楽ビジネスについてあれこれ推察することも多くなりました。
iTunesや着うたなどの音楽ダウンロードビジネスのあおりを受け、CDの売り上げが落ちているのは有名な話。また、夏フェスなどの音楽イベントも数えきれないほど開催されています(私もよく参加してます)。さらに、ブログやTwitter、Facebookなどのソーシャルメディアを使ってミュージシャン自身がプロモーションまで行う時代です。
顕著な例は、レディー・ガガでしょう。
- レディー・ガガに学ぶソーシャルメディア活用最前線(2010/2/5)
- レディー・ガガ、自身のSNSサイト、リトル・モンスターズを立ち上げ(2011/11/30)
- レディー・ガガのTwitterフォロワーが2,000万人を突破! フォローも13万人(2012/3/7)
- ミュージシャン自身の言葉でメッセージを伝えることによるブランドの強化
- ライブ情報やメディア露出情報など情報発信一元化による顧客利便性強化
- 関係性(エンゲージメント)の強化・維持(例:Twitterでフォローしてもらったり、Facebookの本人書き込みを見ると近しく感じることができる)
- オンラインショッピングによる直接的な収益化
このショップ(筆者注:レディー・ガガオフィシャルサイトのこと)では,ハイチ援助Tシャツ以外にも多様なLADY GAGAグッズが販売されている。さまざまなデザインのTシャツや音楽ダウンロード,ポスター,ステッカーなどにはじまり,サングラス,ヘッドフォン,フードパーカー,はてはノートやフォルダーまでがカバーされている。音楽ビジネスは,デジタル時代の到来とともに,アーティストや音楽を広告塔にして,派生するイベントや物販に事業比重を移行しているが,まさにその一端がうかがえるストアと言えよう。ご存知のように、CDの売り上げが減少する中、音楽業界にとってCDは唯一の商品ではなくなっています。音楽はコンテンツであり、それを中心として、CD(あるいはダウンロードしたもの)を聴いたり、グッズを買ったり、ライブに行ったりすることにより、ミュージシャンとそのファンという関係性を体験すること(その結果としてミュージシャンに収入をもたらす)が、音楽ビジネスの全体像になっているわけです。 ここで重要なのは、ミュージシャンと消費者が直接つながることによって従来レコード会社をはじめとする企業が担っていた中間流通機能が不要となり、次にあげるような、ミュージシャンをとりまくビジネスのマネジメントを、ミュージシャン自身がコントロールすることができるようになるということです。
- ミュージシャンから消費者への情報の提供
- ブランド(どのようなミュージシャンとして消費者に認知してほしいか)のコントロール
- 商品(音楽、ライブなどのイベントチケット、グッズなどすべて)の提供
- 顧客からミュージシャンへの、商品に対するフィードバックの提供
- ミュージシャンがロングテール化する(売り上げの上位のミュージシャンが売り上げのほとんどを占める市場ではなく、売り上げがそこそこのミュージシャンから零細ミュージシャン(という言い方がいいかは別として)までが存在しうる市場になる)
- ミュージシャンの収入源が多様化しCDの売り上げが相対的に下がることで、ミュージシャンとレコード会社の力関係が変わる(過去においてはミュージシャンがプロモーションの委託と引き換えにレコード会社に依存しなければならなかったが、レコード会社への依存度が下がる)
- 結果的にミュージシャンの創作の自由度が広がる(必ずミリオンを目指さなくても、自分の感性と合う消費者にだけ聞いてもらえばいい)
- 市場に出回る音楽の多様性がさらに高まる
- ミュージシャンが過度な商業主義を意識しなくてよくなり、顧客に対して誠実なモノづくり(この場合音楽)を提供できるようになる
- 零細ミュージシャンがさらに成立しやすくなる・・・
- 零細ミュージシャンがさらに成立しやすくなる・・・
- 結果的にミュージシャンの創作の自由度が広がる(必ずミリオンを目指さなくても、自分の感性と合う消費者にだけ聞いてもらえばいい)
- ミュージシャンが自分の顧客を囲い込まなくてもよくなる(ミリオンを目指さなくてよいので無理にパイを拡大する必要はなく、既存顧客の維持でよい)
- 自分の顧客に、ほかのミュージシャンをお勧めしやすくなる
- 同じジャンルの中で、ミュージシャンがミュージシャンをお勧めしあうことで、市場が拡大する(顧客が複数のミュージシャンを支持するようになるから)
- 同じジャンルの中で、ミュージシャンがミュージシャンをお勧めしあうことで、市場が拡大する(顧客が複数のミュージシャンを支持するようになるから)
- 自分の顧客に、ほかのミュージシャンをお勧めしやすくなる
- 結果的に、ミュージシャンが自分という商品を中心にしたビジネスのマネジメントをしやすくなり、レコード会社等の既存の音楽ビジネスの中心的企業が収益を上げにくくなる
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2012/3/26追記 ミュージシャンがマネタイズすることについて、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文さんがTwitterで次のようにつぶやいていました。
何にせよ、マネタイズ(どうやってお金に変えるか)をバンド側が考えないといけない環境は、俺には無理だ。だからメジャーでやる。あるいは事務所に所属する。それゆえの縛りもある。でも、良いスタジオや機材を借りられたり、コンサート運営など、有益なことがある。要は個人の選択だよなぁ。
— Gotchさん (@gotch_akg) 3月 20, 2012 ビジネスの規模が大きくなると自分でコントロールが難しくなるのは当然ですから、必ずしもミュージシャン自身がマネジメントしなければならないということではないと思います。しかし、ミリオンヒットがとめどなく生まれてレコード会社が大きな顔をしていた時代ではなくなったことで、メジャーでやるミュージシャンも活動の自由が広がったのではないかと思います。
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