最近「ソーシャルコマース」という言葉をよく見かけるようになりました。
ソーシャルコマースとは、SNSやブログなどのソーシャルメディアとECを組み合わせて販売を促進するマーケティング手法のこと。たとえば、私がTwitterで「熱海にいいホテルを見つけたよ!」とつぶやき、それを見た友人が実際にそのホテルに行く、というのもソーシャルコマースの一つと言えるでしょう。
そもそもソーシャルネットワークサービスは、人とつながることが目的のサービスです。人とつながるためには、まず自分が考えていることや興味を持っていることを明示し、それに対して他者が反応するという双方向のやり取りを、私たちは「人とつながっている」と感じています。しかし、しばしば誰も反応しないコンテンツがニュースフィールドやタイムラインを通過していきます。もちろん相手が何か興味をひかれるから、「いいね!」ボタンを押したりコメントを返したりするわけなので、反応がないコンテンツがあるのは当たり前のことなのですが、しばしば「相手の反応を期待せず、あくまで自己満足のために」何かをSNS上に公開することもあるのではないでしょうか。
これは、コンテンツを見せること(手段)がコミュニケーション(目的)を生むことを期待していない状態。自分のコンテンツを「コレクション」し、それを見せることが目的になっている。私は、消極的なSNSの活用方法として、「コレクションの展示の場」としてのSNS活用があると思っています。
たとえば
- 私の行動をログとしてコレクションし、友達に共有する
- 写真をアルバムにして友達と共有する(思い出を共有する、作品としてみせる)
- 読んだ本、読みたい本をまるで本棚を見せ合うように共有する
- 旅行を共有する
- 自分が持っているもの、欲しいものを共有する
- ⇒AmazonのWishList、myMuji等
では、人はなぜ、インターネット上のソーシャルな場で、自らをコンテンツと化してコレクションを展示するのでしょうか。ソーシャルネットワーク上のコンテンツを、そのコンテンツ作成目的の観点で、私なりに5つに分類してみました。
- 自分の好きなもの・場所をお知らせすることで、興味の近い友人と盛り上がりたい
- =人的ネットワークを活性化するための純粋な意味でのコンテンツ
- 自分が使ってみて/行ってみて、よかったもの/場所だからお勧めしたい
- =自分の友人やネットワーク上の仲間に対するちょっとした親切心
- 自分が使ってみて/行ってみて、よかったもの/場所だから、その商品・サービス・お店を応援したい
- =勝手なPR活動
- 自分が持っていること/行ったことを自慢したい
- =モノやコトを通じて他者から認められたいという精神的渇望
- 自分が持っているもの/行ったもの全体を通じて、自分という人間の世界観を標榜したい
- =モノやコトの選択の判断基準を通じて、自分という人間をわかってほしいという自己実現願望
多くの場合、一つのコンテンツは複数の目的を含んでいるためコンテンツを上記の目的できれいに分類することは不可能ですが、仮に上記の目的に「友人やネットワーク上の仲間が反応しやすい順」に順番を付けるとしたら
一方で、コンテンツの流通量で考えてみると、必ずしも1>2>3>4>5の順ではないように思われます。(自分も含め、私の友人のTwitterやFacebookを見ている限りは)「独り言」「自己満足」のためのコンテンツが意外と多い。要素的に、1や2が含まれていることはありますが、無意識のうちに、「自分」というものを表現し仲間に見てもらう場としてソーシャルネットワークを活用しているように見えるのです。もちろん、それに対して反応があることはありますが、決して反応を得ることを目的にコンテンツをさらしているわけではないのではないでしょうか。
そのように考えてみると、ソーシャルネットワークの中で活発に取り上げられるコンテンツを、Eコマースに結び付ければいいと安直に考えても、簡単に成功するわけではないように思えます。「ソーシャル」な「ネットワーク」といいながら、人々はかなり緩い状態でしかネットワークされていないわけですから。
とはいえ、ソーシャルネットワークをEコマースに結びつける仕組みは興味深いものがあります。個人的には、次のようなソーシャルコマースならば使ってみたいです。
- ソーシャルネットワークから、他のECに誘導する安直なソーシャルコマースはイマイチ
- MyMujiやMixiモールのように、ネットワーク上の人が「持っている」「ほしい」ボタンで盛り上がっていれば、それが売れるのでは?という発想もイマイチピンとこない(それならばそのサイトに閉じる必要はない)
- もともと商品を買いたいと思っている人が集まる場で、自分のソーシャルネットワーク上の友人がその商品にどんなコメントを寄せているかが見られればいい(楽天やAmazonで、「あなたの友達の中でこの人たちがその商品を持っています」のように表示される仕組み)
- 昔ながらの口コミサイトにソーシャルネットワークでの発言を表示する仕組み(その他大勢の人のレコメンドではなく身近な友人のレコメンドを表示数仕組み)も面白い
- 商品のレコメンドを、プログラムで処理するのではなく、自分のソーシャルネットワーク上のコンテンツ(その商品だけでなく、もっと総合的にライフスタイルの観点から)分析して提示してくれると面白い
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